2019年4月20日土曜日

筋肉量とダイエット

怪我のせいでこの半年ほど運動ができませんでした、完治したので久々にボルダリングをやったところ全然いけません、身体能力が落ちまくっていました。

トレーニング再開に伴いWebでトレーニング方法を調べたのですが怪しい知識が横行している様です。

と言うことで今回はトレーニングについて書きます

筋肉は基礎代謝量が大きいので、筋肉をつけると24時間ダイエット効果が続く?

某アスレチックジムが宣伝に使っている口上から広まった感が有るのですが、これは
誇張
です。

筋肉1Kgの基礎代謝量は、観点や測定方法でバラつきはあるのですが13KCal~47KCalあります、とりあえずここでは中間地をとり30KCalとします。
トレーニングで筋肉を1Kg増やして増加した代謝量は、体重67Kgの男子が9分間普通のペースで歩く運動量に該当します。筋肉を増やしてもせいぜいこのレベルです

筋肉を1Kg増やす努力をするよりも、9分間散歩をした方が楽だと思うのですが…

運動量は運動強度(メッツ値)×体重×時間×1.05で計算できます
運動強度は(メッツ値)は厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/11/s1109-5g.html)に有ります

 男性の平均筋肉量全体重の4割程度です、ここからかなり 頑張って筋肉を10Kg増やしたとします
日本人男子の筋肉量
 

筋肉を10Kg増やして筋肉率50%、これはもうムキムキのボディビルダーレベルです、これだけ筋肉をつけて増えた基礎代謝量は300KCalになります。

300KCalは、食べ物に例えると、ジャムを付けた5枚切り食パン1枚分、あるいはフライドポテトSサイズに匹敵します
ランニング(10メッツ)に換算すると25分間走る事に匹敵します

筋肉は運動を続けないとすぐに衰えます、下表は寝たきりの場合の筋力低下量です
これは、食事は点滴、排便はオムツの極端な状態の例ですが、少なくとも筋肉を維持するにはそれなりの運動が必要な事は確かです

つまり、スーパービルダー並みの筋肉をつけた後でも、それを維持する運動が必要なので「いったん筋肉を付ければ、後は寝ててもダイエットになる」はあり得ません。
筋肉のレベルを維持させる為の努力が必要です。

筋肉はそんなに簡単には増えません、1週間に2回のトレーニングを1時間行い、それを2ヵ月間続けるだけではスーパビルダーには成れません。 
ジムの広告写真の使用前と使用後の写真はコントラストや姿勢や向きを変えて誇張しているものが多いです、すごいのになるとメークまで変えています。
見た目が変わるほどのトレーニングにはそれだけの努力が必要です。

さらに短期間でダイエット効果を宣伝しているジムは食事制限を併用していまが、食事制限によるリバウンドと、筋肉増加による基礎代謝の増加のトレードオフについての言及は曖昧なのが普通です。
せいぜい「筋肉が増えると基礎代謝量が増えるのでリバウンドは無い」の一言だけです。筋肉1Kgの増量で30KCalの代謝量増加しか無いことに関しては、Web上の広告を調べたのですが、どのジムも言及していませんでした

シムに何千円も払って、ハードトレーニングを行い、ムキムキのスーパービルダー並みの筋肉を付けて、それを維持するトレーニングを日々続けるよりも、毎日25分間ランニングをする方が実際的だと思うのですが、いかがでしょうか。

さらに、筋肉を10Kg増やすにはそれなりの期間と努力が必要ですが、25分間のランニングならば今すぐにできます。